国内の主要ECモールといえば「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」の三巨頭。
多くの人が一度は利用したことがあるはずです。
ここでは、2021年に各モールで支持されたアイテムと傾向を、女性消費者の視点で振り返ります。

楽天市場
楽天市場は楽天グループが運営する巨大ショッピングモール。
1997年5月開始で、物販に限らず旅行・保険・不動産までカバー。
店舗ごとの個性を楽しみたい35歳以上の女性からの支持が厚いのが特徴です。
2021年、楽天市場で話題を集めた売れ筋商品の総合トップ10を発表します!
1位 強炭酸水 ZAO SODA
2位 おむつ メリーズ パンツ
3位 無塩 / 有塩が選べる ラッキーミックスナッツ
4位 カット生ずわい蟹 (越前かに職人甲羅組)
5位 血色マスク CICIBELLA
6位 おむつ パンパース パンツ
7位 クリスタルガイザー
8位 カラーコンタクト ReVIA 1day COLOR
9位 選べる極上本ズワイ蟹 (ますよね)
10位 血色マスク cicibella sports
第1・2・6・7位には、「水」や「子ども用のオムツ」といった日用品・ベビー用品がランクイン。
「重くてかさばるもの」と「EC」の相性の良さが際立ちました。
ちょっと小腹が空いたときやダイエット中のおやつにぴったりの「ミックスナッツ」が第3位にランクインしました。
今話題のダイエット法「16時間断食」でも、ナッツは「食べてよいおやつ」として注目を集めています。
おいしくて大容量、さらに低価格な商品が選ばれているようです。
第5位と第10位には「血色マスク」が入りました。
血色マスクとは、淡いピンクやライラック、ベージュなど、肌になじむ色合いのマスクのことです。
日常生活でのマスク着用がニューノーマルとなった今、「顔色がよく見える」「豊富なカラーバリエーションから自分に合ったものを選べる」といった特徴が支持され、オシャレに関心の高い女性ユーザーを中心に人気を集めています。
さらにトップ10には入らなかったものの、第11位には「女性のための新!美容専門プロテイン タンパクオトメ」、第12位には「プリュ プラセンタ モイスチュア マスク」と、健康・美容系アイテムが続いてランクインしました。
このことからも、楽天市場では健康や美容に関心の高い女性の心をつかむ商品がよく売れていることがわかります。

Yahoo!ショッピング
Yahoo! JAPANが1999年に開設したECモール。
コアユーザーは35歳以上で、幅広いカテゴリーが並ぶのが強みです。
Yahoo!ショッピングの2021年【10大ヒット商品】をご紹介します!
・VRヘッドセット -オキュラス Oculus Quest 2
・ウマ娘アニメDVD -『ウマ箱2』第1コーナー
・K-POP -BTS, THE BEST
・エヴァ関連商品 -アスカ・ラングレーフィギュア
・インスタントカメラ -富士フイルム 写ルンです
・ドライブレコーダー -コムテックドライブレコーダー
・自転車 -ヤマハ電動自転車
・プロジェクター -popIn Aladdin 2
・メンズコスメ -クワトロボタニコ
・ポータブル電源 -EcoFlow ポータブル電源
参考:2021年にヒットしたものは? Yahoo!ショッピングの「10大ヒット」商品
2021年に流行したアニメや男性アイドルユニットの関連商品が数多くランクインする中、特に注目したいのが「インスタントカメラ」と「プロジェクター」です。
まず「写ルンです」をはじめとするインスタントカメラは、「エモい」写真が撮れると女子高生や女子大生を中心に人気が再燃しています。
スマホひとつで簡単にあらゆる情報にアクセスできる現代だからこそ、「不便さ」や「待つ楽しみ」が若い世代の心をつかんだと言われています。
実際に、Instagramのハッシュタグ「#写ルンです」には2022年1月時点で約108万枚の写真が投稿されており、売上も前年比1670%と破竹の勢いで伸びています。
また、自宅に設置するだけで映画館気分を楽しめる「プロジェクター」も人気です。
なかでも、一番売れているタイプは照明としても使用できるほか、子ども向けアプリが充実しており、家族みんなで楽しめる仕様になっています。
子どもの学習に役立つポスターや図鑑、世界の絵本コンテンツから、寝かしつけに特化した読み聞かせモードまで幅広く搭載。
親子のコミュニケーションを深めるアイテムとして、特にママ世代の支持を集めています。
このように、Yahoo!ショッピングでは「密」を避けつつ、生活をより楽しめる商品が人気を集めているようです。

Amazon
Amazon.co.jpは2000年、米Amazonの日本版としてスタート。
ブランド・型番での“指名買い”が多く、男性ユーザーの利用比率が高い傾向。
Amazon.co.jpで販売されている商品の売れ筋については、年に一度の大型セールプライム会員大感謝祭「プライムデー」の売れ筋にフォーカス。
Amazonプライムデーで一番売れた商品をご紹介します。
・Amazonデバイス -「Fire TV Stick 4K」「Echo Show 5(第1世代)」「Echo Dot(第4世代)」など
・飲料 -「やかんの麦茶650mlPET×24本」「ICY SPARK from カナダドライ430mlPET×24本」など
・日用品 -「除菌ジョイ コンパクト 食器用洗剤 詰め替え ジャンボ 1330mL」など
参考:日本ネット経済新聞
自宅で使うデバイス・飲料・消耗品が中心に伸長。
中小企業応援キャンペーンでは、数百万人の会員が数万社から購入し、以下が好調でした。
そこでのベストセラー商品は、以下のとおり。
・サプリメント -ULBO(アルボ) PLATINUM シトルリン アルギニン 亜鉛 厳選8成分
・シャンプー&トリートメント -BOTANIST(ボタニスト) ボタニカルシャンプー&トリートメント 詰め替えセット
・メンズシャンプー&コンディショナー -HスカルプD シャンプー メンズ オイリー2点セット
・メンズ除毛クリーム -HMENZ メンズ 除毛クリーム 医薬部外品
・米 -令和2年産新潟県産コシヒカリ 5kg×2袋
・プロテイン -VALX バルクス ホエイ プロテイン チョコレート風味 Produced by 山本義徳 1kg

2021年に伸びたジャンルは?
コロナ禍2年目で巣ごもり需要が継続。新様式にフィットした商材が堅調でした。
重たくてかさばる生活必需品
上記3大ECモールの売れ筋商品からは、「水」「米」「子どものオムツ」といった「大きい」「かさばる」「重い」日用品やベビー用品を、ネットでまとめ買いするユーザーが多いことがうかがえます。
特にコロナ禍で在宅時間が増えた2020年頃からは、オンラインでの飲料ケース購入が増加しており、近年では分別がしやすくエコにもつながる「ラベルレス」タイプが人気を集めています。(参考:食品産業新聞社)
さらに、頻発する自然災害の影響で防災意識が高まっており、日頃から飲料水を備蓄する家庭も少なくありません。
アウトドアで活躍する「ポータブル電源」が売れているのも、昨今のキャンプ人気に加え、防災用品としての需要が高まっているためだと考えられます。
自宅で楽しめるデジタル製品
コロナ禍で自宅で過ごす時間が増える中、「プロジェクター」や「Amazonデバイス」、「VRヘッドセット」といったデジタル製品の売れ行きが伸びています。
今後の注目は、2021年10月にFacebookがMeta(メタ)へと社名を変更したことで一気にバズワードとなった「メタバース(仮想空間)」です。
社会全体で非接触・非対面の取り組みが進められる中、2022年以降も「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」とともに、「メタバース」をキーワードとした商品やサービスがヒットしていくことが予想されます。
健康・美容関連アイテム
長時間のマスク着用による肌トラブルや、オンライン会議の普及で自分の顔を見る機会が増えたことから、男女を問わず肌のケアに気を配る人が増えているようです。
「メンズコスメ」や「メンズ除毛剤」といった男性向け美容関連商品の売上が伸びているのも、その表れだと言えるでしょう。
また、低脂質・高たんぱくで女性からも支持を集める「プロテイン」や、栄養価が高くダイエットにも適した「ミックスナッツ」が売れていることからも、「ただ体重を落とす」のではなく「健康的にきれいに痩せたい」というニーズが強まっていることがうかがえます。
さらに、在宅時間の増加による運動不足の解消や、公共交通機関の利用を避けたいという理由から、各種「自転車」の売上も増加しています。
特に重たい荷物を積んでもスムーズに走行できる電動タイプは、ママ層を中心に高い人気を誇っています。

まとめ
2021年は、コロナ禍によるさまざまな制限がある中で、
・重たくてかさばる生活必需品
・自宅で楽しめるデジタル製品
・健康・美容関連アイテム
がオンラインでよく売れたようです。
2022年には、コロナ禍では予想できなかったような商品が人気を集めることを期待します。
Herマーケティング
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